一心鍼灸院

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手のしびれ

2018.11.20
手のしびれ

首、肩、腕の痛みとしびれが起きた時の対処法

考える女性

考える女性

 

あなたは、首だけではなく肩や肩甲骨付近、そして腕にも痛みが現れ、腕や手にしびれを感じる病気があることをご存じですか?

もし、あなたが始めてこのような身体の異常を感じたら「どのような対処をしたらいいのか。」「何科の病院を受診したらいいのか。」「どのような治療をするのか。」など、いろいろなことがわからなかったり、不安なことが起きたりすると思います。

今回は、もしもの時のために首から肩、腕に痛みが起きたり、腕や手にしびれを感じたりした時の対処法についてお伝えします。

 

1.首、肩から腕の痛み、腕、手のしびれが起きる原因

 

首から腕にかけての痛みと腕、手のしびれは、ほとんどが脳や脊髄(頚髄)、頚神経(腕神経叢)、頚椎、頚椎椎間板、首、肩の筋肉などの異常が原因で発症されます。

考えられる主な疾患として、次のような疾患が考えられます。

①脳、脊髄の病気

脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、くも膜下出血、脊髄腫瘍など

 

②頚椎、頚椎椎間板の加齢変化

頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靱帯骨化症など

 

③頚神経(腕神経叢)の圧迫

胸郭出口症候群など

 

④首、肩の筋肉の炎症や緊張

筋筋膜性疼痛症候群など

 

2.首、肩から腕の痛み、手のしびれが起きて緊急を要する症状は総合病院へ

 

総合病院

 

首、肩から腕の痛み、手のしびれが起きた時に緊急を要するのが脳神経、脊髄の異常です。もし、手のしびれだけでなく、手足の力が入らない、ロレツが回らない、視野が狭くなる、脂汗が出るほどの強烈な痛みが起きるなどの緊急を要する症状が起きたら、早急に整形外科、脳神経外科が併設され手術も可能な総合病院を受診してください。

 

3.首、肩から腕の痛み、手のしびれが起きて緊急を要しない症状は整形外科又は脳神経外科へ

 

首、肩から腕に痛みと手のしびれが起きて緊急を要しない場合は、最寄りの整形外科又は脳神経外科の診療所を受診してください。

直接、総合病院を受診するという手ありますが、200床以上の総合病院は医師の紹介状がない場合、特定療養費を徴収する施設がほとんどです。ですから、無駄な出費を防ぐためにも総合病院を受診する前にお近くの整形外科又は脳神経外科の診療所を受診してください。そして、総合病院で検査を受ける時はドクターの紹介状を必ず受け取るようにしてください。

 

特定療養費とは、日本の公的医療保険の被保険者が保険の適用範囲外の療養を受けた場合に、一定のルールの下で保険外診療との併用を認める制度です。
「地域の医院・診療所」と「200床以上の病院」との機能分担を進め、「初期の診療は医院・診療所で、高度・専門医療は病院で行う」ことを目的として定められたものです。医療機関の医師の紹介状を持たずに200床以上の病院を初診で受診すると、施設で定められた一定の費用を支払わなければなりません。又、支払う費用は500円から10000円程度と施設によってまちまちです。

参照: Wikipedia

 

診療所のドクターによってはMRIなどの検査を促さないこともありますが、MRI検査は受けることをお勧めいたします。レントゲンで骨の状態はわかっても脳、脊髄、椎間板などの軟部組織の状態がわからないからです。

初めて経験するような症状が現れた場合、自分がどのような状態になっているのかを把握することがとても大切です。ですから、脊椎脊髄外科(ヘルニアや頚椎症など脊椎脊髄疾患を専門に治療する外科)、脳神経外科が併設されている総合病院でMRI検査を受けるようにしてください。

 

4.首、肩から腕の痛み、手のしびれが起きた時の診察の流れ

 

病院受診時の主な診察の流れは主に問診と検査になります。

 

4-1.問診

始めて病院に来院したら、問診票に記入した後ドクターからの診察を受けます。

 

4-2.検査

主な検査はドクターが自ら行う徒手検査と画像検査の2種類あります。

 

①徒手検査

 

徒手検査とはドクター自らが行い、身体の反応を観察して診断の参考にする検査です。主な検査には次のようなものがあります。

 

1.反射

反射には主に深部腱反射、病的反射の2種類行います。

 

・深部腱反射

深部腱反射とは、ゴム状のハンマーで筋肉の腱や骨の突起部を叩き、筋肉の収縮を誘発させる検査です。一番ポピュラーで知られているのが膝のお皿の下を軽く叩くと、膝から下の脚が前に跳ね上がる動作だと思います。深部腱反射を行う部位の反応を見て、神経のどの部分に障害があるのかを判断します。

 

・病的反射

病的反射とは正常な成人の方には現れない反射のことをいいます。したがって、この病的反射で陽性が出ると脳、脊髄に異常が認められることになり、少し症状が重いことになります。頚椎疾患で行う病的反射は、主にトレムナー反射とホフマン反射があります。

 

2.症状誘発検査

症状誘発検査とは、頭を押さえるなどして症状を誘発させる検査です。症状が曖昧な時に確定診断をするため行う検査ですが危険を伴うこともあり、あきらかに症状が現れている場合は行わない時があります。首、肩から腕の痛み、手のしびれが起きている時に行われる主な症状誘発検査はスパーリングテスト、ジャクソンテストがあります。

 

3.筋力、感覚検査

脳や神経に異常があると、筋力が弱くなったり、感覚が鈍くなったりすることがあります。ですから、腕や肩の筋力や握力を調べ、触覚や痛覚の感覚を調べます。この検査を行うことによって、頚神経のどの神経に異常があるかをある程度判断できます。

 

②画像検査

 

画像診断は主にレントゲンとMRI検査の2つの検査があります。

 

1.レントゲン

頚椎症の頚椎

 

レントゲンは骨に異常があるかどうかを調べる検査です。レントゲンでは軟部組織(脳、神経、椎間板など)を検査することは出来ません。レントゲンでは次のようなことがわかります。

 

  • 頚椎全体の形
  • 椎体(頚椎の1つの骨)と椎体の間隔の広さ
  • 頚椎椎体や椎間関節に骨棘が形成されているか
  • 椎間孔(神経が通る孔)の形
  • 脊柱管(脊髄が通るところ)の太さ

 

2.MRI検査

 

頚椎ヘルニア

 

MRIは脳、神経、椎間板などの状態を調べることができます。MRI検査をすることによって、ヘルニアがあるのか、神経、血管に異常があるかなどがわかります。もし、MRI検査を行わないで、ドクターにヘルニアですと言われてもそれは確定診断ではありません。疑いがあると言うことだけです。

初めて首から腕の痛み、手のしびれの症状が現れた時は、頚椎のレントゲンとMRI、脳のMRIを受けることをおすすめします。

 

5.首、肩から腕の痛み、手のしびれが起きた時の治療

 

ここからは、検査で脳、脊髄に異常が認められなかった場合の治療についてお伝えします。

 

5-1.投薬治療

 

首、肩から腕の痛み、手のしびれが起きた時の処方されるお薬は次のようなものがあります。

 

1.鎮痛薬

主に処方される鎮痛薬は非ステロイド性抗炎症薬NSAIDsといい、痛みを緩和するお薬です。このお薬の副作用は、消化性潰瘍、穿孔、胃腸出血などの胃腸障害、腎障害、アスピリン喘息などがあります。鎮痛薬の中で効果の高いお薬はボルタレンなどの坐薬です。坐薬は胃腸に負担をかけることなく、薬剤が直接腸から吸収されるので効き目が早く高い効果が期待できます。

 

2.胃腸薬

胃腸薬は、鎮痛薬で起こる胃腸障害の副作用を防ぐために処方されます。

 

3.神経性疼痛緩和薬

神経性疼痛緩和薬は、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアなどの神経の痛みがある時に処方される鎮痛薬の一種です。

 

4.ビタミン製剤

ビタミン製剤は、手のしびれがある方に処方されるお薬です。ビタミン製剤の中でもビタミン12系統のお薬がよく処方されます。このビタミン製剤は、神経の働きをよくする栄養素がビタミン12なので神経の働きをよくする目的で処方されます。

 

5.筋弛緩剤

筋弛緩剤は、筋肉の緊張を緩和するお薬です。首から腕の痛み、手のしびれは、首、肩の筋緊張が原因で起きていることが多くあります。筋弛緩剤で筋緊張を緩和して、症状を和らげる目的で処方されます。

 

5-2.神経ブロック注射

 

鎮痛薬を服用しても痛みが改善されない時は神経ブロック注射をする場合があります。神経ブロック注射とは、痛みのある場所近くの神経周囲や神経内に局所麻酔を注入して、一時的に神経の興奮や炎症を抑え痛みを改善していく治療法です。神経ブロック注射の種類は30種類以上あり、首から腕の痛みで行われる神経ブロック注射は星状神経節ブロック注射と腕神経叢ブロック注射です。

星状神経節ブロック注射と腕神経叢ブロック注射とも、とても難しく技術を要します。ですから、神経ブロック注射をされる場合は、ペインクリニック学会専門医がおられて透視装置など設備がそろっているペインクリニックで治療を受けられると良いと思います。

 

5-3.頚椎牽引

 

頚椎牽引とは、整形外科や整骨院で行われている機械で間欠的に首を引っ張る治療法です。頚椎牽引療法は首、肩から腕の痛み、手のしびれの症状が現れている時によく行われている治療法ですが、治療効果があまりみられないようです。時に症状が悪化する恐れもあります。ですから、最近ではドクターの中でも頚椎牽引の有効性に疑問を持たれている方が多くなってきています。

 

5-4.電気治療

 

電気治療は、吸盤状のようなものを身体に貼り付け電気を流す機械と電気を身体にあてて温める機械があります。どちらの機械とも筋肉の血流を促進させて、自然治癒力を高め痛みを改善していく治療法です。

 

6.病院の治療で改善されない時は鍼灸治療があります。

 

首から腕の痛み、手のしびれが起きた時の病院での治療法をお伝えしましたが、これらの治療で症状が改善されない場合が多々あります。その時は鍼灸治療という方法もあります。

鍼灸治療とは、身体に鍼やお灸を使って身体に刺激を与え身体を治していく治療法です。鍼灸治療には痛んだ筋肉の改善や鎮痛、自然治癒力を強くする、免疫力を強くするなどの効果があり、首、肩から腕の痛み、手のしびれにはとても有効な治療法です。

病院でのお薬やブロック注射が効かなくてもあきらめないでください。なぜなら、鍼灸治療で良い効果が得られ場合があるからです。是非、お近くの鍼灸院を探されて治療を受けてみてください。

 

7.まとめ

 

今回は、首から肩、腕に痛みが起きて、手にしびれが現れた時の対処法についてお伝えしました。首から腕にかけての痛みや手のしびれの原因は脳、脊髄、腕神経叢、首、肩、胸の筋肉が原因のことが多いです。ですから、次のように対処してください。

 

  • 手足の力が入らない、ろれつが回らない、視野が狭くなる、脂汗が出るほどの強い痛みの場合はすぐに総合病院へ
  • それ以外の場合は整形外科、又は脳神経外科を受診してください。その後、紹介状をもらい脊椎脊髄外科、脳神経外科が併設されている総合病院でMRI検査を受けてください。
  • 脳や脊髄に異常がない場合はお薬、注射、リハビリなどで治療する。
  • お薬、ブロック注射、リハビリが効かない場合は鍼灸治療を試す。
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