頚椎症
頚椎症の治療で、カイロと整体が危険な理由
「頚椎症」とは、頚椎や椎間円板の加齢変性(老化)が原因で神経と筋肉が傷ついて発症する疾患です。「頚椎症」がひとたび発症されると、夜も寝られなくなるくらい激痛で悩まされ、日常生活で強い負担を強いられます。
症状がひどい場合は、手足の筋力低下、歩行障害などが起きて、頚椎の手術をしなければならない時もあります。頚椎症の治療は保存療法と手術療法に大別されますが、保存療法で治療する場合、確立された治療法はありません。
インターネットで「頚椎症」、「治療」と検索すると、病院の治療以外に鍼灸、整骨院、マッサージ、カイロプラクティックなど医業類似行為の治療法が見受けられます。この医業類似行為の中で、頚椎症の患者さんが絶対に受けてはいけない治療法があることをご存じでしょうか?
これらの治療法を受けて、治療事故が起き人生を狂わされている方もおられます。それだけ、頚椎症の治療は難しく、危険を伴います。もし、あなたが頚椎症で悩まれていて、病院以外の治療法を探されているなら治療院探しは慎重に慎重を期してください。
ここでは、あなたが間違った治療を受けて手遅れにならないように、頚椎症の方が絶対に受けてはいけない治療法をご紹介します。
1.頚椎症とは
まず始めに頚椎症ついてご説明します。
「頚椎症」は頚椎(骨)と椎間円板の加齢変性(老化)が原因で起こります。頚椎(骨)と椎間円板の加齢変性(老化)は次のように進んでいきます。
まず、椎間円板に含まれている水分が抜けていき、椎間円板の厚さが薄くなり骨と骨の隙間が狭くなります。椎間円板が薄くなると、椎間円板で保たれていた頚椎の安定性が悪くなります。
頚椎の安定性が悪くなると、頚椎自身が骨に棘を形成し関節を固定、安定性を維持しようとします。この骨の棘が骨棘となり神経の通り道を狭くし、時に神経が傷ついて痛みやシビレが起きることを頚椎症といいます。
一般的に症状の発症が多くなる年代は40歳代くらいからとなっています。
2.頚椎症の症状と治療法について
頚椎症の症状は、首、肩、肩甲骨、腕に痛みが起こり、腕や手にしびれを感じます。さらに、脊髄症状が起きると感覚、運動神経の麻痺が起こり、手や足が動かすことが出来ない、文字が書きにくくなる、歩行が困難になるなどの症状が起きます。
病院での治療法は、保存療法と手術療法があります。保存療法とは痛み止めや筋肉の緊張を和らげる薬の処方と湿布、ブロック注射、頚椎牽引、電気治療などのリハビリ治療になります。
そして、今現在では病院の治療以外でも頚椎症の治療を行っていますと標榜している治療院がたくさん存在しています。その中で、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアの方が絶対に受けてはいけない治療法があることご存じでしょうか?
その治療法とは、整体、カイロプラクティックでよく行われている、頚椎をグキッとする頚椎の矯正と強く揉むマッサージです。
なぜ、これらの治療法が受けると危ないのか説明していきます。
3.頚椎症の方がカイロプラクティックを受けてはいけない理由
まずは、頚椎のレントゲン写真を正常な方と頚椎症の方のレントゲン写真をご覧ください。
上が正常な頚椎のレントゲン写真で、下が頚椎症のレントゲン写真です。
丸く示している頚椎の丸い穴は神経の通り道で、「椎間孔」といいます。頚神経は椎間孔を通り、脊髄から上半身にかけて神経が伸びています。
頚椎症のレントゲンの椎間孔をご覧いただくと、少し空豆状になっていて椎間孔が狭くなっています。椎間孔の内側に尖った部分が骨で形成された骨棘です。この骨棘が神経を圧迫している可能性があります。
この骨棘で神経を圧迫された状態で、整体やカイロプラクティックの頚椎の矯正が行われると、神経が骨棘で傷つけられて神経損傷に陥る危険性があるのは明白です。
さらに、頚椎の横突孔には椎骨動脈が通っています。椎骨動脈というのは身体から脳に血液を送るとても重要な血管です。
この椎骨動脈が通っている横突孔にも骨棘が出来て内腔が狭くなることがあります。横突孔の内宮が狭くなると、椎骨動脈が圧迫され脳に送られる血流が少なくなることがあります。
この状態になると、「椎骨脳底動脈循環不全症」という疾患になり目まい、吐き気などの症状が現れることもあります。
骨棘で椎骨動脈が圧迫された状態で、整体、カイロプラクティックの頚椎の矯正を行うと、椎骨動脈が破断する可能性が高くあります。もし、椎骨動脈が破断すると、脳に血液が送られなくなるため最悪の場合、死に至る恐れがあります。
このような痛ましい事故は、実際に日本やアメリカなどでも起きているのです。
4.頚椎症の方が強いマッサージを受けてはいけない理由。
頚椎症の方は、頚椎で神経にダメージを受けています。そして、同時に頚神経が支配している首、肩、上肢の筋肉にも緊張や炎症といったダメージを受けています。
この筋肉の緊張や炎症は、頚椎症の痛みやシビレの大きな原因の1つとなっています。緊張や炎症が起きている筋肉に強刺激のマッサージを行うと、さらに筋肉が傷つき炎症が広がり痛みが増強する可能性があります。
5.注意!!首の医業類似行為で、神経、脊髄損傷が増加中!!
ここまで、頚椎症の方が医業類似行為である整体、カイロプラクティックを受けてはいけない理由をお伝えしました。
なぜ、このようなことをお伝えしたかと申しますと、現在、鍼灸院、整骨院、整体、カイロプラクティックなど医業類似行為を行っている治療院が乱立しています。その中で、医業類似行為による治療事故が増加傾向にあるからです。
この治療事故は以前から問題視され、独立行政法人、国民生活センターからも消費者に対して注意喚起されています。
独立行政法人、国民生活センター
手技による医業類似行為の危害-整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も-
という題目で情報提供されています。
健康保持や疾病の予防・治療の目的で、マッサージ、指圧、整体、カイロプラクティックなど、施術者の手技による医業類似行為が広く利用されている。
一方、PIO-NETには、整体やマッサージ等、器具を使用しない手技による医業類似行為を受けて危害が発生したという相談が2007年度以降の約5年間で825件寄せられており、件数は増加傾向にある。
手技による医業類似行為のうち、あん摩マッサージ指圧や柔道整復については法的な資格制度があるが、整体やカイロプラクティック等と呼ばれるその他の手技による医業類似行為については法的資格制度がないため、施術者の技術水準や施術方法等がばらばらであると指摘されている。
そこで、健康維持や身体症状の改善等を目的とする、器具を使用しない手技による医業類似行為を受けて危害が発生したという相談情報を分析し、情報提供することとした。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120802_1.html
独立行政法人、国民生活センター
以下が、独立行政法人、国民生活センターに寄せられた主な危害事例です。
【事例1】指圧・マッサージ店で全身の指圧マッサージを受けたところ肋ろく 軟骨 なんこつ を骨折した
【事例2】接骨院でカイロプラクティックを受けて肋軟骨を負傷、頸けい 椎 つい 捻挫
【事例3】接骨院に行ったら痛みがひどくなったが、病院に行かず通院を続けるよう言われた
【事例4】マッサージを受けて首や頭の周りが痛くなり頸椎捻挫と診断された
【事例5】椎間板ヘルニアであることを伝えて整体を受けたら激痛が起きた
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120802_1.html
独立行政法人、国民生活センター
以下が、危害事例を分析した「危害部位及び危害内容」です。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120802_1.html
独立行政法人、国民生活センター
この表からもわかるように、首の治療事故は神経、脊髄の損傷が圧倒的に多いことがわかります。
ですから、頚椎症で悩まれている方は、整体やカイロプラクティックの頚椎の矯正を受けることは絶対にやめてください。
6.まとめ
ここまで、頚椎症の方が整体、カイロプラクティックを受けてはいけない理由をお伝えしてきました。
頚椎症は骨棘で神経を圧迫されている神経と筋肉の疾患で、普通の首こり、肩こりよりも重篤な疾患です。
頚椎症の治療はとても難しく、下手な治療を受けると、治療事故に繋がる確率が高くなります。ひとたび、治療事故で脊髄損傷が起きると、全身麻痺が起こり一生寝たきりになったり、死に至ったりする可能性があります。
ですから、頚椎症でお悩みの方は、くれぐれも治療院選びは慎重に行い、信頼の置ける治療院をお探しください。
当院は完全予約制になっておりますので、来院される際は事前にご予約していただくようお願いいたします。
ご予約の方法は、電話と24時間インターネット予約で受け付けております。
お電話の場合、
1.06-6607-8184までお電話ください。
2.院長の私自身(勝田)が、
「はい、一心鍼灸院です」とお応えしますので、
3.「ホームページを見ました。予約をお願いします。」とおっしゃってください。
その際に、「●お名前」「●お電話番号」「●ご希望日時」「●お困りの症状」などをお伝えください。
ご希望の日時が空いていない場合は、なるべくご希望に近い日時を提案いたします。
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