長引く首の痛みや頻回に起きる首の痛みは、頚椎ヘルニア、頚椎症など重篤な疾患の初期症状の可能性があるので注意しなければなりません。
ヘルニアや骨棘などで頚神経が影響を受け、首、肩の筋肉が異常に緊張し、筋肉の血流障害が起きている状態です。
筋肉に血流障害が起きると発痛物質の産生や筋硬結、トリガーポイントの形成など、筋肉の生理機能が失われます。そして、しだいに痛みを感じるようになり、筋肉が硬化し首の可動域も損なわれていきます。
この症状は放っておくと重症化し、腕の痛みや手のしびれが起きる可能性があるので、早めの対策が必要です。
重症化する前に対策を行うと改善も早くなります。
長引いている首の痛みは軽く考えずに適切な処置を受けるようにしましょう。

手にしびれを感じる原因は、中枢神経性（脳、脊髄）、末梢神経性、血管性、代謝性、筋肉性、骨性とさまざまですが、中でも特に多いのが、末梢神経性と筋肉性のものです。
手のしびれが症状として現れる代表的な病気として、「頚椎症性神経根症」「頚椎椎間板ヘルニア」「胸郭出口症候群」が挙げられます。
場合によっては、脳や脊髄などの重大な疾患が潜んでいる可能性も考えられます。
「たかが手のしびれ」と軽く見ていると、取り返しのつかないことになるかもしれません。
軽いものであっても、「手がしびれているな」と感じたら、真っ先に脳神経内科や整形外科などの病院を受診するようにしてください。
原因がはっきりすれば、解決方法が明確になるだけでなく、何よりも安心することができるでしょう。

頚椎症とは、頚部に現れた痛みなどの症状の総称です。
頚椎症の痛みの原因は炎症や神経、トリガーポイントと複雑に絡み合っており、服薬やただのマッサージでは、十分な効果が期待できません。一方、鍼灸治療などを取り入れて治療することによって、症状が早く改善するという事例が多く確認されています。症状が長引くようなら、鍼灸治療に頼るのもいいかもしれません。
ただし、頚椎症の方は整体やカイロプラクティックなどの、刺激の強いマッサージは絶対に受けてはいけません。場合によっては、傷んでいる頚椎がさらにダメージを受けてしまい、取り返しのつかないことになる可能性があるからです。
最悪なケースとして、首の神経や脊髄を損傷してしまったという実例が報告されています。

頚椎ヘルニアとは、頚椎の間にある椎間板と呼ばれる組織が損傷し、脊髄や神経根を急激に圧迫している状態をいいます。
炎症による侵害受容性疼痛、神経の痛みによる神経障害性疼痛、トリガーポイントによる筋筋膜性疼痛症候群が混在している「混合性疼痛」という痛みが症状として現れ、首や腕の痛み、手のしびれなどを感じます。
前述したように、ヘルニアの痛みの原因は、炎症、神経、トリガーポイントと複雑に絡み合っており、鍼灸治療などを取り入れることで早期の症状改善が期待できます。
ヘルニアは、一般的な首こりや肩こり、寝違えなどと違い、神経に異常が起こる重篤な病気です。この事実を認識した上で、適切な治療方法を選びましょう。

胸郭出口症候群とは、上肢を上げる動作で腕にしびれを感じたり肩付近に痛みが現れたりする病気です。
筋肉の緊張や骨の奇形、骨格の変化などで、腕神経叢、鎖骨下動静脈が通る隙間が狭くなって圧迫されることで起り、腕や手に痛みやしびれ、筋力低下などの症状が現れます。
圧迫される箇所によって、「斜角筋症候群」「頚肋症候群」「肋鎖症候群」「小胸筋症候群（過外転症候群）」に分かれ、胸郭出口症候群という名称は、これら4つの総称です。
整形外科では、投薬や注射、頚椎牽引といった対症療法しかないため、不得意分野といってもよいでしょう。
もしあなたが胸郭出口症候群でお悩みなら、筋肉の治療を得意としている鍼灸治療をお試しください。
薬や注射か効かない場合でも、症状の改善が期待できます。

頚性めまいとは、首の異常が原因で生じるめまいのことを言います。
船に乗っているようなフワフワとした浮動性めまい、立ちくらみのようなめまいが特徴です。
首こり、頚椎症、頚椎ヘルニアなどで、首の筋肉が緊張し周囲の血管や自律神経が圧迫され、血流が悪くなったり自律神経が乱れたりして、めまいが引き起こされると考えられています。
脳や耳に異常が認められない場合は、頚性めまいの可能性が強くあります。
症状を改善するためには、首の筋緊張を和らげ「血流の改善」と「自律神経を整える」ことが必要です。
頚性めまいを引き起こしている首の筋緊張は、投薬やたんなるマッサージでは改善は難しいですが、血流改善と自律神経を整える作用のある鍼灸治療を取り入れることで早期の症状改善が期待できます。